聴覚障がいでもカスタマーサポートの仕事に就けた。チャット対応という働き方
自己紹介
先天性の感音性難聴で、両耳とも重度の聴力障がいがあります。補聴器を使っていますが、電話での会話はほぼ聞き取れません。日常会話は補聴器と読唇術で何とかなりますが、「電話が使えない」ことが就活の最大のネックでした。
就活で一番困ったこと
「電話対応必須」の壁。事務職の求人を見ても、ほとんどが「電話対応あり」。面接で「電話はできません」と伝えた瞬間、面接官の表情が変わるのを何度も経験しました。
障がい者枠の求人でも、配慮はしてくれるものの「電話以外の事務作業」に限定されがちで、仕事の幅が狭い。正直、やりがいを感じにくい仕事が多かったです。
電話ができないだけで、こんなに選択肢が狭まるのか。
3社目の就活で心が折れかけたとき、転職エージェントから「チャットサポート専門の求人がある」と紹介されました。
転機:チャットサポートとの出会い
紹介されたのはSaaS企業のカスタマーサポート職。特徴的だったのは、顧客対応がすべてチャットとメールだったこと。電話対応は一切なし。
面接でもSlackのハドルではなくテキストチャットで実施してくれました。「うちはテキストベースの文化なので、電話ができないことはまったく問題ない」と言われたときの安堵感は今でも忘れません。
障がい者枠での採用でしたが、業務内容は一般枠の社員とまったく同じ。これが決め手でした。
工夫していること
入社後に気づいたのは、聴覚障がいがあるからこそテキストコミュニケーションの精度が高いということ。普段から文字でのやり取りに慣れているので、顧客への説明が丁寧で分かりやすいと評価されました。
具体的に工夫していることは:
- テンプレートを自分で作成・改善:よくある問い合わせのパターンを分析し、回答テンプレートを50個以上作成。チーム全体の対応速度が上がりました。
- FAQ記事の執筆:問い合わせを減らすための記事を月に2-3本書いています。
- 社内MTGはZoomの字幕機能を活用:Google Meetの自動字幕も併用。議事録は自分が率先して取るようにしています。
今の働き方
フルリモートで週5日勤務。月間の対応件数は約300件で、顧客満足度は常に90%以上をキープしています。半年前にはチームリーダーに昇格し、新人教育も担当するようになりました。
給与は年収380万円ほど。障がい者枠としては高い方だと思います。成果で正当に評価してもらえる環境はありがたいです。
後輩へのメッセージ
「できないこと」に目を向けるのではなく、「テキストで伝える力」は立派なスキルです。チャットサポートやテクニカルライティングなど、テキストベースの仕事は年々増えています。電話ができないことは、もう致命的なハンデではありません。自分の強みに気づけるかどうかが、就活のカギだと思います。
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